ここは、とある通りの一角。少し古風な感じを受ける一つのレストランが在った。
「古風?そうね。先先代の時から外観は変えてない、って父さんが言ってたからね」
 これは、ここの若女将の言葉。
 そこに、一人の男性が入って行く。
 店先に掛かっている看板の名前は『さくら亭』。


  (カララン)
パティ「いらっしゃいま…って、なんだ。ロフェルじゃない」
ロフェル「んだよ。それが仕事を終えて帰って来た者にかける言葉か?」
パティ「そうじゃないけど、表から入ってくるからお客かと思ったの。お帰り、ロフェル」
ロフェル「ああ、ただいまパティ」
  短い遣り取りの後短いキスをして、ロフェルは店の奥に向かった。
  自分達の部屋に入る手前、可愛い木の看板が掛かっている扉の前で足を止め、ロフェルはそっと扉を開けた。
?「すー…すー…」
  中から聞こえてくる規則正しい寝息を聞き、ロフェルはいとおしい眼差しをベッドに向けた。
ロフェル「ただいま、リーン」


これは、今から10年後のお話である。


<未来予想図の指し示す先>



リーン「おはよう、お母さん」
パティ「あら、おはようリーン。今日は珍しく早起きね」
  厨房で朝の仕込をしていたパティは、横から聞こえた眠たそうな声の主である少女を見下ろす。
パティ「おじいちゃんとおばあちゃんには挨拶してきたの?」
リーン「…ううん。まだ」
  少女、リーン・クォーラルの返した言葉に、パティはわざと少しだけ強い口調で言葉を続ける。
パティ「ダメじゃない、ちゃんと挨拶しなきゃ。この時間だったらもう起きているはずだから、挨拶してらっしゃい」
リーン「はーい」
  パティに言われて厨房を出ようとしたリーンだったが、不意に母親を振り返った。
リーン「…お母さん、オシッコ行きたい」
パティ「ええっ?うーん、ちょっと今手が離せないんだけど…」
  リーンの言葉に、パティは手元の鍋を見る。丁度火加減に注意しなければならない所のようだ。
リーン「………」
パティ「うー…」
  リーンの視線にパティが困っていると、
ロフェル「おはよう、リーン、パティ」
リーン「あ、おはようお父さん」
  厨房にロフェルが顔を出した。
パティ「あ、ロフェル。丁度良かった。リーンをオシッコにつれて行ってくれないかしら。今手が離せないのよ」
ロフェル「分かった。さ、リーンおいで」
リーン「はーい」
  厨房の様子を見たロフェルが、リーンの手を取って歩き出した。
  廊下の途中で、扉が開いて二人の人物が顔を出す。
ロフェル「あ、おじいさん、おばあさん。おはようございます」
リーン「おじいちゃんおばあちゃん、おはようございます」


  さて。何故ロフェルがここに居るのかというと…何の事は無い。パティと結婚してさくら亭で一緒に暮らしているからだ。
  そしてパティはさくら亭の女将として、ロフェルは舞台を主として活躍する俳優として。共働きの形になっている彼らの間には、現在3歳のリーンという少女がいる。
  パティの両親も未だ健在で、孫のリーンを溺愛しながら時たま厨房を手伝っていた。


  そんなさくら亭に向かって、一組の家族が歩みを進めている。
  長身で紫の髪の男性と、青い髪の女性。そして、彼らに両手を握られている綺麗な青髪の少女。
ルシード「しかし、この辺りは変わらないな」
フローネ「そうですね。そういえば私、あの頃はあなたの事センパイって呼んでましたよね」
少女「センパイ?もしかしてママも警察さんを目指していたの?」
  少女の問いに、フローネは苦笑を返して返答した。
フローネ「そう言う意味じゃないわ。ママもパパも、同じ学校に通っていたのよ」
少女「そうなんだ。わたしもそこに行って見たいな〜」
ルシード「そのうちな。さあ、今は先にパパとママの友達に挨拶に行かないとな」
少女「うん。でも、後で連れて行ってね」
フローネ「そうね。久しぶりに行くのもいいわね、あなた」
  そうこうしている内に、さくら亭の看板が見えてきた。
ルシード「さ、セフィ。パパとママの友達と対面だ。しっかりと挨拶しろよ」
セラフィン「はい!」
  セラフィン・アトレー。現在4歳の元気な少女は、父親の声に大きくうなずいた。
  追伸、ルシードは少し離れた大都会に警察官として赴任、フローネは専業主婦として彼を支えていた。


  (カラララン)
パティ「いらしゃ…って、わぁ〜!」
ロフェル「どうしたパティ!」
  今日は仕事が無いために厨房の手伝いをしていたロフェルは、パティの上げた奇妙な悲鳴に慌てて飛び出してきた。
  そして、数秒硬直する。
ルシード「よお、久しぶりだな」
フローネ「お邪魔します」
  挨拶した二人に、パティとロフェルが同時に我に帰った。
ロフェル「本当に冗談抜きで久しぶりだな。どうしたんだよ突然」
パティ「ここに寄ってくれるんなら連絡しておいてくれれば良かったのに」
  嬉しそうにそう言う二人を見て、『変わってねぇな』と思いつつ、ルシードが来訪理由を言った。
ルシード「娘の学校を決定する時にな、俺達と同じ所が良いって聞かなくてさ。
 仕事場がそう遠くなるわけでもないから引っ越してきたんだ。で、これからよく顔を合わすだろうし挨拶ついでにな」
フローネ「これ、私たちの新しい住所です」
ロフェル「あ、どうも。…って、娘!?」
  フローネの差し出した紙片を受け取って数秒して、ロフェルが素っ頓狂な声を上げる。
ルシード「ああ。俺とフローネの子供だ。セフィ、こっちへおいで」
  ルシードに手招きされ、入り口から一人の少女が入ってきた。
  パティとロフェルの前まで走ってきたセラフィンは、彼らにペコリとお辞儀した。
セラフィン「は、初めまして!セラフィン・アトレーです!」
  そして、すぐに横に立っているフローネにしがみついた。
  そんなセラフィンに、パティがしゃがみ込んで笑顔で返した。
パティ「初めまして、小さな美少女ちゃん。わたしはパティ・クォーラル。この人はロフェル・クォーラルよ」
ロフェル「よろしくな、セラフィン」
  パティ達の行動で、セラフィンの顔から緊張の色が薄れていった。どうやら、信用してくれたようだ。


ルシード「それにしても、お前らにも子供がいたとは驚きだな」
ロフェル「俺だって驚いたぜ。でも、やっぱり女の子は父親に似るもんだな」
ルシード「そうか?…あー、そうかもな。リーンの顔立ちもお前に似てるもんな」
ロフェル「まあな。アイツに似られたら男の子と間違われかねないからな」
  今、ロフェルとルシードの二人はカウンターで酒を飲み交わしていた。
  あの後リーンを紹介して、6人で夕食にした。
  その後、久しぶりに会えたのだからとパティとフローネが部屋で話し込み、二人してはしゃぎすぎたセラフィンとリーンは静かに眠っている。
ルシード「しかし、リーンか。…お前、まだ引きずっているんだな」
  ルシードの表情には、ロフェルを気遣う気配がうかがえた。
  リーンとは、ロフェルの妹の名前でもあった。とある事件に巻き込まれた事で幼くしてこの世を去ることを迫られた彼女の事を、ロフェルは片時として忘れることは無かったのだ。
  当時、リーンの事を語るロフェルの表情は自分の不甲斐なさと後悔の念で暗く沈んでいた事が多かった。
  だが、今のロフェルの表情には穏やかささえうかがえる。
ロフェル「引きずっているんじゃないさ。俺にとって、リーンは世界に二つと無い守るべき存在。ただそれだけだ」
ルシード「そうか…そうだな」
  お前は、随分強くなったな。そんな事を考えて少し羨ましかったルシードだったが、ふととある事を思い出して話題を変えた。
ルシード「そう言えば、あいつは何をしているんだ?シーラなら超一流ピアニストになっている事は知っているが」
ロフェル「アレフの事か?あいつならテレビ中心の役者になってるぜ。時々ドラマでも出てるだろ?」
ルシード「そうか。最近テレビって言ったらニュースしか見ないからなぁ」
  本庁の警察官、と言う立場上、ルシードは多忙の日々を送っている。だが、それでも文句一つ言わずについてきてくれるフローネとセラフィンは、彼にとっての『世界にとって二つと無い宝』である事は間違いなかった。



  そして次の日。ルシード一家はロフェル一家が学園付属幼稚園を覗きに行くと言う事で一緒に行ってみることにした。
リーン「セフィちゃんは幼稚園に来てくれるの?」
セラフィン「うん。こっちに引っ越してくる事になったから近くの幼稚園に入りなおさないといけないんだって」
  四人の男女の前を、幼い二人の少女が手をつなぎながら歩いている。
リーン「それじゃあリーンと一緒に初登校だね!良かった、知ってる人がいてくれて」
  少し人見知りをしやすいリーンは、来年から通う幼稚園と言うところに不安を感じていたのだ。
  だが、今彼女の横には一歳年上のお姉ちゃん、セラフィンが居てくれる。それが嬉しいのだろう。
セラフィン「うん。よろしくねリーンちゃん」
フローネ「良かった。セフィは引越ししたら寂しがると思ってたのに、良い友達に出会えたわね、あなた」
ルシード「そうだな。ロフェルとパティの子供なら安心して一緒に居れるしな」
ロフェル「おいおい、ルシード。お前歳食って性格丸まったか?」
ルシード「そうか?…変か?」
パティ「全然変わらないロフェルが変なのよ。気にしないでルシードさん」
  そんな一行が幼稚園の近くに来た時、ふととある青年が目に入った。
  その青年は薄紫の綺麗な髪をしており、左手にスケッチブック、右手に鉛筆を持って幼稚園の中庭辺りを真剣な眼差しで描いている。
  その青年の視線の先では、幼稚園の先生と思われる女性が花壇の花に水を遣っているところであった。
ルシード「何だアイツ。変質者か?」
フローネ「確かに、怪しいですよね」
ロフェル「へ、変質者って…」
パティ「あの子が聞いたら怒るわよ」
  そんな感想を言う二人に対して、ロフェルとパティは顔を見合わせて笑いをかみ殺している。
ルシード「な、何なんだよお前ら二人して!」
  ルシードの上げた声に反応して、その青年がこちらに気付き、スケッチを中断して歩いてきた。
青年「こんにちは、ロフェルさん、パティさん、リーンちゃん。それに…ルシードさんとフローネさんですね。お久しぶりです」
フローネ「え…」
ルシード「まさか…」
  青年の少し高さを残した声に二人が固まっていると、リーンが青年に挨拶をした。
リーン「こんにちは、リオのお兄ちゃん」
青年=リオ「こんにちは。そっちの子は、リーンちゃんのお友達かな?」
  しゃがみながら聞くリオに、リーンはセラフィを紹介している。
  そんなリオを見つめ、ルシードとフローネが驚きの表情をしていた。
ルシード「あの、リオ・バクスターかよ?」
フローネ「でも、背だって私より大きいですよね」
  彼女の声が聞こえたのか、リオは苦笑を浮かべてフローネを見上げた。
リオ「そりゃ大きくもなりますよ。ボクだってもう22ですよ?」
  そんな会話をしていると、先ほどの女性が幼稚園から出てきた。
  ライシアンである事は耳を見れば分かる。だが、由羅のように派手な美しさではなく、清楚な美しさを備えた女性。
ルシード「この展開で行くとおそらく…」
  呟いたルシードに気付いて驚いた表情を浮かべたその女性は、少し慌ててこちらに歩いてきた。
女性「ルシードと、フローネ…だよね?久しぶり」
フローネ「もしかして、更紗ちゃん?」
女性=更紗「ええ。5年ぶり位かな?」
  更紗が懐かしそうに笑いかけると、尻尾に違和感を覚えて背後を振り返った。
セラフィン「綺麗な尻尾……」
  そこには、更紗の尻尾を珍しそうに触っているセラフィンがいた。
更紗「こんにちは。あなた、お名前は?」
  しゃがみ込んで聞く更紗に、セラフィンが素直に答えた。
セラフィン「セラフィン・アトレーだよ。ねえ、お姉ちゃんのこの尻尾って本物なの?」
更紗「ええ。お姉ちゃんはライシアンっていう種族で人間じゃないのよ」
セラフィン「ライシアン?」
リーン「うん。すっごく珍しい人たちなんだって。ね、先生」
更紗「そうね。でも、尻尾と耳が違うだけで後は人と同じだよ」
  話の対象が更紗に移った事を機に、リオが立ち上がる。
リオ「それにしても。今日ロフェルさんたちが来られる事は聞いてましたけど、まさかルシードさんたちまで来ていただけるなんて思ってもみませんでした」
フローネ「これからはさくら亭の近くに家を買ったから、来年度からこの幼稚園のお世話になろうと思って」
ルシード「ま、そう言う訳だ。これからもまたよろしくな、リオ」
リオ「ええ。こちらこそよろしくお願いします」


  リオと更紗に幼稚園を案内してもらっている途中、誰も居ないはずの園内で一人の少年がみんなの前を横切った。
リオ「あっ!またあの子だ」
  それが誰か知っているらしく、リオが面倒そうに呟いて走り出した。
ルシード「…何だ?更紗の知り合いか?」
更紗「え?…う、うん、まあ」
  何か苦笑を浮かべて返した更紗の様子に、ロフェル達三人が顔を見合わせる。
セラフィン「リーンちゃんはさっきの子知ってるの?」
リーン「うん。あのね、………なんだって」
セラフィン「ふーん」
  子供たち二人はこそこそと喋って納得したようだったが。
  やがて、
リオ「ほら、捕まえたぞ」
少年「やめろよ!俺何もしてねぇじゃんか!」
リオ「何言ってるんだ。キミの行動は立派な住居不法侵入だよ。警察に連れて行かないだけ良かったと思わなきゃ」
  リオに引きずられて一人の少年が連れてこられた。
少年「分かったよ!分かったから引きずるなってば!」
  リオの手をやっと振り払い憮然としているその少年を見て、ロフェルとパティは「あぁ。この子」と納得した。
リーン「こんにちは、ノアお兄ちゃん。今日も探検?」
  話し掛けてきた相手がリーンだとすぐに分かったようで、ノアと呼ばれた少年は笑顔を返した。
ノア「まあね。ここは通いなれたけど、何か新しい発見を求めて、って奴さ」
セラフィン「ふーん。君、冒険が好きなんだ」
ノア「…キミ、だれ?」
  リーンの横に立っていたセラフィンに突然声をかけられ、ノアが困ったような顔になる。
セラフィン「わたしはセラフィン・アトレー。セフィ、って呼んでね。それで、あの人が私のパパとママ」
  セラフィンがルシード達の方を指差す。
  フローネは視線がこちらに向けられたことを理解して軽く微笑んだが、ルシードは壁の連絡掲示板に貼られた紙を張りなおしている所だった。
  どうやら、少しいがんでいたようだ。
  そんな二人に視線を送った後、セラフィンにノアも挨拶する。
ノア「オレはエルノア・グリアール。よろしく」
  (びりっ)
更紗「あ、破った」
  更紗の声と紙を裂く音で、みんなの視線が音の主に集中する。
  そこには、破れたプリントを片手にピサの斜塔が如く傾いているルシードの姿が。
ルシード「グリアール……まさか…」
  そう呟いたルシードは、多少ぎこちない動きでエルノアの元に歩いてきた。
ルシード「少し聞くが、お前の親父の名前は?」
エルノア「え?…キャレイド・グリアールだけど。母さんは由羅だよ」
フローネ「!キャ、キャルさんと由羅さんのお子さんって…あの子が!」
  フローネも思い出したらしく、エルノアの前にかがみこんだ。
フローネ「…本当。面影があるわね」
エルノア「…おっちゃんもおばちゃんも。オレの事知ってるの?」
  胡散臭げに聞くエルノアに、ロフェルがフローネを指指しながら答えてやる。
ロフェル「エルノア。お前は覚えてないだろうけどな、生まれたてのお前が最初に小便ぶっ掛けたのはこの人なんだぜ?」
エルノア「…マジで?」
フローネ「…うん。マジ」
  驚いた顔で固まっていたエルリアだったが、唐突にフローネの腕を掴んだ。
エルリア「じゃあ、おばちゃんがフローネ?」
フローネ「ええ、そうよ」
エルリア「じゃあ、おじちゃんが…」
ルシード「ルシード・アトレー、だ」
  次にルシードを見上げて聞く声を遮り、ルシードは自分から名乗った。
エルノア「すっげー!オレ、おばちゃんたちに会いたかったんだよ!父さんや母さんから、昔オレの子育てをやってる間家事手伝いを無料でしてくれたお人よしがいるって聞いてたからさ。おばちゃんたちの事だろ?」
フローネ「お、お人よし…」
ルシード「…キャルのヤロー。どんな説明をしてるんだ」

  苦笑を浮かべる二人を目にして、ロフェルの横にいたパティが彼に話し掛ける。
パティ「そう言えば、フローネたちがこの町を離れたのって…」
ロフェル「ああ。エルノアの一歳の誕生日一週間前。それに、俺達の結婚式から一ヵ月後だったな」
パティ「そ、そうよね」
  結婚式当日の事を思い出したのか、パティは赤くなって顔をそらした。
ロフェル「…それにしても、あれからもう5年か。早いな」
  楽しそうに話しているリーン達三人を眺めつつ、ロフェルが感慨深げに呟く。
パティ「そうね。…ねえ、覚えてた?ロフェルがレイーズを振り回していた時期から、今年で丁度十年目よ」
  パティに改めて言われ、ロフェルの中でここ十年の出来事が流れた。
ロフェル「…いろいろあったな。そりゃ、歳もとるぜ」
  全ての事が懐かしかったが、中には思い出したくない事もあることにはある。だが、そう言うものがあるからこそ思い出なのではないか、そうロフェルは考えている。
 彼いわく、『今が幸せなんだろ?じゃあそれで良いじゃねぇか。悲しい事、楽しい事。そう言う色んなものがあるからこそ、人生が本当の意味で楽しいんだしよ』との事だ。
パティ「ねえ、ロフェル…」
ロフェル「ん?」
  自分の身体に身を預けるパティの肩を抱いてやりながら、ロフェルが短く聞く。
パティ「わたしは、今、すっごく幸せよ。ロフェルが居てくれるし、リーンだって居るもの」
ロフェル「そうだな。俺も、幸せだぜ。この幸せは、俺がずっと守ってやるからな」
パティ「ええ。これからもよろしくね」
  微笑みあった二人は、至極自然に唇を重ねた。
ロフェル「愛してるぜ、パティ」
パティ「わたしもよ」
  すっかり二人の世界に入っていたが、ふと視線に気がついてパティが周囲を見回す。
ルシード「おーおー。まるで新婚夫婦みたいな会話だな?」
フローネ「そうですね。でも、あなただって時々言ってくれるじゃない」
リオ「お二人とも…一応、場所を考えてくださいね」
更紗「私は…そんな大胆な事は出来ないかも」
  笑みを浮かべるルシードとフローネ、苦笑するリオに頬を赤らめている更紗。彼らに加え…
セラフィン「リーンちゃんのママたち、よくあんな雰囲気になる?」
リーン「うん。しょっちゅう」
エルノア「うちの父さんと母さんも。見てるこっちが恥ずかしくなるよな」
  子供たち3人の目もパティとロフェルに注目していた。
パティ「な、なによあなたたち…」
  注目されて顔を真っ赤にしているパティに対し、ロフェルは平然とした顔でパティに声をかける。
ロフェル「なあ、パティ」
パティ「…何?」
ロフェル「続き、やるか?」
  真顔で聞くロフェルの顔面が大きく歪み、体が数十センチ浮かび上がった。
パティ「できる訳無いじゃないのよ!」
  彼女のパンチは、いまだ健在のようだ。


これは、10年後のお話。ロフェル達の子供たちのお話である。

――Finale & New Start――


☆あとがきのコーナー☆

作者:うっす!弋白夜さんリクエスト、『10年後のロフェル&パティ』。いかがだったでしょうか。
ロフェル:ふーん。こんな感じなんだな。
パティ:まあ、大概が想像できる形だったけどね。
更紗:そう言えば、この10年後のキャラクター設定、ある?
作者:少しなら有りますけど。見たいですか?
リオ:そうですね。是非、お願いします。
作者:では…

  クォーラル家…ロフェル28歳(主に舞台俳優)、パティ27歳(さくら亭女将)、少女リーン3歳。
  グリアール家…キャル28歳(コンピュータ技師)、由羅30歳(専業主婦っぽいな)、少年エルノア6歳。
  更紗たち…更紗24歳(幼稚園の先生)、リオ22歳(駆け出しの画家)、子供なし。因みに未婚。
  アトレー家…ルシード28歳(警察官)、フローネ27歳(専業主婦)、少女セラフィン4歳。
  コールソン家…アレフ28歳(主にテレビ俳優)、シーラ27歳(ピアニスト)、子供無し(1年以内に男の子が生まれる予定・苦笑)。

作者:と言った感じです。因みに、魔族が完全にいなくなった訳では有りませんがロフェル君たちの戦いには既に終止符が打たれました。
キャル:なるほど。一応最初は俺にも出番があったんだ。
由羅:異口同音〜。どうしてノアだけが出られるの?
作者:私がキャラクターを動かしきれなかったからです(あっさりと)。
 さて、次に特別ゲストを。
セラフィン:セフィです。
リーン:リーンです。
エルノア:ノア!だよ。
ルシード:お、お前ら!ここの次元は10年前だぞ!
フローネ:まあまあ。気にしちゃ負けですよ、センパイ。
作者:そうそう。あとがきだから何でも有りなんですよ。
 と言う事で、皆さんお疲れ様でした。
パティ:ところで作者さん。リーンはそのまんまだけど、どうして後の二人は略称があるの?
作者:それはですね、
リーン:作者のおじちゃんの趣味、だって言ってた。ねー、セフィちゃん。
作者:え、えっとですね。
セラフィン:なんでも作者さん、わたしの名前は某冴木忍さんの作品の主人公から取ったんだって。で、略称だけはオリジナルで行こう、ってことでセフィ。
作者:ま、まあそんなわけなんですが、他にもですね
エルノア:オレの名前はオリジナルらしいんだけど、最初は『ノア』だけだったんだ。でも、これじゃあ物足りないしありふれてるからってエルノアになったんだ。
 だけどさ、『エル』じゃあのおっかないおばちゃんと一緒じゃん。だから後半の『ノア』が略称だって。
作者:…以上です(涙)
ロフェル:あーあ。喋れなくて泣いちまったぜ、こいつ。
作者:ほっといてください!
キャル:ま、いっか。
 さて、今回はいかがでしたでしょうか。
由羅:苦情とか感想とか、みんなの意見を待ってるわね。
 それじゃあみんな、
一同:またね〜。

フォシル:そー言えば。なんで俺が出てこんかったんや?
作者:あ、フォシルさん。それは…まだ、組曲3が終了していませんからね。その後のフォシルさんについては今は伏せておきたかったんですよ。
ティセ:じゃあ、『書き忘れ』じゃ無いんですね?
作者:失礼な。きちんと考えた上での結論です。
フォシル:そんなら、まあしゃあ無いか。
ティセ:フォシルさんが納得するなら、ティセもオーケーですぅ。
作者;ご理解、感謝いたします。それでは、
三人:またお会いしましょう〜。

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